LSBS
LSBS加工
「LSBS」
~当社独自の仕上げ~
Limitlessly Shallow Back Surface
開発のきっかけ
裏すき技術を追求して生まれた「疑問」
刃の裏面(刃と刃がお互いに合わさっている面)には「ヒゾコ」と呼ばれる凹み状の溝があります。ヒゾコ(樋底)は「裏スキ」と呼ばれる技術によって加工がなされ、結果的に凹み状の溝を形成します。
「LSBS」とは、そのヒゾコがない当社独自の仕上げで構成された「フラット状の裏面」を指します。
当初は「ヒゾコはどのようにあるべきか?」という「ヒゾコと裏刃の理想形」を求め、物理的な根拠をもってその答えを見出しました。しかし、ハサミを研ぐことによる刃の変形に対する問題や、ヒゾコ部に髪溜まりが生じることなど、ヒゾコがあるために生じる問題を解決するためには、「ヒゾコの役割」を解明する必要があると考えました。
そこで私どもに云わるハサミ造りの基本をゼロベースに戻し、一つ一つを考え直していくうちに、短時間に多くのハサミを造るためには裏スキ作業がとても有効であることに気が付きました。今日では利便性の高い研磨機やNCマシニングが普及しているわけですが、そうなる前からからハサミ造りがなされていたことも考え合わせて、逆説的にヒゾコがなくてもハサミは切れるという推論をたて、実証するために試行錯誤を繰り返したところ、「ヒゾコでなくてもハサミは切れる」という結論を得ることが出来ました。
「LSBS加工」が完成したことによる優位性
裏面を限りなくフラットにすることで得られる効果
従来のヒゾコは裏面が凹み状になっておりますが、LSBSではその面がフラット状になることで「剛性」が向上します。
これは人間の身体でいう「体幹」が強くなるイメージでハサミにとっては、切れの鋭さと強さに現れます。
研ぎ、メンテナンスでの切れの再現性
ハサミは研ぎで刃の形が変化します。本来ならその変化に応じて、ヒゾコも形を変えることが理想です。
特に研ぎ込まれたハサミは、裏スキを入れ直す必要に迫られる場合があり、作業の難易度もさることながら、出来る職人も限られており現実は厳しい状況にあります。
「LSBS加工」を搭載することで広がる可能性
CTNなど新しい商品が生まれます
ハサミの剛性が向上し、さらに刃が鋭くなることで、これまでにない商品ができました。